24時間かけて到着したマラウイのリロングウェ。
*ザンビアからマラウイの移動>>
アフリカに来てから、急ぎ足での旅が続いていて、比較的快適な宿が多かったものの、狭くて荷物も広げられないドミトリー生活。
ただでさえ潔癖症気味の私には、安宿生活と長時間移動のストレスがたまっていたのかもしれません。
マラウイで、ついに心が折れました・・・。
リロングウェからカタベイ(ンカタベイ/NKHATA BAY)へ移動すべく、これまでで最もオンボロのバスに乗り込んだのは朝8時頃。
これまでのバスとは違って、満席になるまで出発してくれません。
2時間くらい経ち、満席になってさらに通路に立つまで人が集まって、ようやくバスが出発しました。

カタベイ行きのバス

満員状態のバス
カタベイまでは地図で見ると300キロくらい。
道は舗装されているし、どんなにオンボロバスでもスピードをけっこう出すので、4~5時間くらいで着くかなぁと思っていました。
座席はボロボロで、バスが揺れるとクッションが落ちてしまうほど。

ボロボロの座席
途中、市場みたいなところで停まっては、乗客みんな降りてキャベツやらたまねぎやらを買い込んで、またガヤガヤとバスに戻ってきます。
休憩所で停まると、バスの周りに物売りが集まってきて、バスの窓から商品とお金をやり取りする大騒動。

窓ごしの買物風景
出発から4時間経ってもまだ半分も進んでいないバスに、気持ちがふさぎ込み始めました。
しかも前日に泊まった宿でダニに全身十ヶ所以上も刺されてしまった私。
急に激しいかゆみに襲われ始め、途中で通る貧しい町を横目に、なぜか涙が止まらなくなりました。
疲れた・・・
ゆっくり休みたい(きれいなホテルで)・・・
思えば、約1ヶ月前にモロッコに入ってから移動続きの日々。
特に南アフリカに入ってからは、私たちのアフリカ大陸のゴール地点ケニアへ向かう日程が決まっているため、余裕のないスケジュールで進んでいました。
1~2泊しては24時間移動の繰り返しで、心の余裕がなくなっていたのだと思います。
現地の人に話しかけられても、どうせ何かの勧誘だろうと煩わしい気持ちになり、無視して振り切っていました。
中南米の旅では、気に入った町や宿があれば、一週間くらい滞在してのんびり過ごしていたので、これまでは疲れを溜めずに旅ができていたのかもしれません。
とにかく気持ちが疲れていたこと、ダニに全身刺されたこと、そしてせっかくアフリカにいるのに、全然アフリカを感じられていない自分に涙が出ました。
そんな暗い気持ちのまま、9時間後にカタベイに到着。
バスに乗ってからは11時間、座席からも立たず、トイレにも行けずでした。
(途中停まった場所にあった、わらで囲った建物らしきものがトイレだったのかも・・・)
カタベイのBig Blueという安宿へ向かいます。
マラウイは物価も安いので、この日は個室に泊まれると期待して到着。
ところが、期待していた個室はアマゾンの山奥で泊まったような簡素なロッジで、隙間から虫が入り放題。
トイレ・シャワーは共同で、全然清潔ではなく、しかもトイレには便座も無い・・・。
もう夜なので別の宿を探す気力もありません。
シャワーを浴びず、またトイレもなるべく行きたくなかったので、あまり水分をとらず、また夕食もとらずに寝ることにしました。
ベッドの蚊帳をセットしていると、首筋に何かが触れたので手をやると、巨大なゴキブリがベッドに落ちてきました。
ギャー!!!!
これまでもたくさん虫を見てきたし、ときにはシャワー中にゴキブリと遭遇したこともあったけど、なんとかそのまま浴びれるほどには成長していた私。
でもこの日はもう心も折れていたので、悲鳴をあげて逃げるしかありません。
とはいえ、この部屋で寝るしかないので、防虫スプレーで撃退しました・・・。
もはや心のエネルギーはゼロに。
いつも泊まった宿の写真を撮っておく私ですが、この宿では何もする気がおきず写真も撮りませんでした。
翌朝早々に宿を出て、Big Blueより小ぎれいで欧米人バックパッカーに人気のマヨカ ビレッジへ行くも満室。
そこで紹介してもらった、さらに奥地のNJAYA LODGE(ジャヤ ロッジ)に泊まることにしました。
1部屋40~70ドルという、カタベイでは高級ロッジ!
2泊するからと、トイレ・シャワー付きの部屋を1泊40ドルにまけてもらいました。
テラスのソファに座り、静かで美しいマラウイ湖をながめながら、ネットができる環境。
部屋は、やっぱりここでも隙間のあるロッジでしたが、マラウイの中ではなかなか良い感じ。

テラスで朝食

部屋(蚊帳付きのベッド)
私が浴びたときは水シャワーだったけど・・・
アリが大量にいて、常に体のどこかに這ってくるけど・・・
町まで歩いて40分かかるけど・・・
ペットボトルの水がまずいけど・・・
それでも、この宿で2泊ゆっくりと過ごし、ブログを書いたり、メールをしたり、写真を整理したり、たまっていた洗濯物をランドリーサービスに出せてすっきりしたりして、私のやさぐれた心も癒えてきました。
そうなると、これまで見えていなかった何気ない町の様子が目に入るようになり、子どもたちの笑顔がとてもかわいく見えてきました。

マラウイ湖

カタベイの子どもたち

カタベイの子どもたち

のどかな田園風景

水を引く男性たち
アフリカにいるんだな、とようやく実感がわいてきました。
もう9ヶ月も旅しているというのに、心が弱い私。
安宿も虫も長時間移動も、どうしても私にはストレスになります。
かといって、快適な移動と宿泊ができる予算はないという中途半端な状況。
あのボロボロのバスだって、9時間なんてそんなに長い時間でもなく、もともとそれくらいかかる路線だったのを、4~5時間だろうと勝手に期待していただけのこと。
観光客を見かけると「ハロー!」と言って無邪気に手を振るマラウイの子どもたち。
美しい褐色の肌に鮮やかな色柄の布をまとい、どんなに大きな荷物でも頭に乗せて運べてしまう女性たち。

カラフルな布をまとった女性たち

荷物は頭に載せて運びます

バナナ売りの女性
のどかな景色とここでゆったり暮らすマラウイの人たちに触れ、これまでの自分の価値観とはまったく違う世界に来たんだな、と実感できました。
マラウイで折れた心は、マラウイで癒されました。
あっというまにアフリカ旅も中盤。
ここにいられる喜びを感じ、また旅を続けたいと思いました。

トマトとバナナを頭に乗せて歩いてみる
*カタベイの宿(マヨカビレッジ、ジャヤロッジ)の詳細は次のブログで
kumi;